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Minolta α-7xi

ミノルタの野心的シリーズの一号機、α-7xiです。1991年6月、定価98,000円。スタンダード機・中級機を表す7ナンバーが与えられていながら、それまでのα-7000(定価88,000円)、α-7700i(定価80,000)よりもお高めの価格設定がなされているところに、ミノルタの本気度と自信が現れていたと思います。

オートズームというか、『勝手にズーム』ばかりが取り上げられて酷評され、短命に終わってしまったシリーズではありますが、しっかりとした作り込みや試みに対し、ファンも少なくない機種です。

α-7xi_1

まず目を引くのは本機のスタイルです。滑らかな曲線で構成された美しいシルエットです。私などはα-7700i/α-8700iよりも、よほど洗練されているような気がします。









好き嫌いの分かれるデザインではあるものの、本機の握った時の手になじむ感は見ただけではピンときませんので、触れたことのない方は是非どこかで手にされることをおすすめします。

α-7xi_3

α-7000以降、ミノルタを含む各社が大型のグリップとそのグリップの上部に配置されたレリーズボタンを採用してきた中で、本機は逆にグリップを小さくし、旧来の本体上部にレリーズボタンを引き戻しました。とはいえ、グリップ感は旧来の一眼レフとは明らかに違う、よりエルゴノミックなものです。

α-7xi_6

α-7xi_5

この独特な形態は、α-8700iの2回目で書いた通り、構えた時の手首のストレスを考えて、カメラを後ろからではなく下から握る形にすることを意図したものと考えています。右手側のストラップ取り付け口がカメラの上面についているのもそのためかと。後年、同じくグリップを薄くしたデザインで登場したペンタックスのMZシリーズが右手側ストラップ取り付け口をカメラ背面に配置したのと同じ意図であろうと思われます。もちろん、ここでいうストラップは、手の甲を覆う形のグリップストラップのことです。

α-7xi_B

ただし、私は持っていませんので関係ありませんが、大砲を使う場合にはたとえグリップストラップを装着していても、ちょっと取り回し不安で、かえって手首に負担を与えることになるかもしれません。

外見上、惜しむらくは、第一世代、第二世代のα同様、経年とともにグリップがひび割れていくことから逃れ得ていないことで、私の個体も下の方が欠けてしまっています。実用上は問題ないため、特に気にせず使っていますが、いずれ何かしらの補修をする必要になることが目に見えています。

α-7xi_4

グリップ内側(レンズマウントとの間)の二本線はα独特の接触センサーで、ファインダ部の接眼センサーと組み合わせて『勝手にズーム』などの機能に利用されます。

冒頭に書いた通り、素性は決して悪くない機体ですので、ゼロタイムオートあるいはオートスタンバイズームという『勝手にズーム』絡みの機能についてはα-3xiの回に送り、今回は『勝手にズーム』のキャンセル方法のみ書いておこうと思います。

xiレンズについている丸いボタンを押しながら電源を入れるだけです。正確には、このボタンを押しながら電源を入れるたび、オートスタンバイズームのオン/オフが切り替わります。電源投入時、"OFF AS"もしくは"On AS"(大文字小文字は間違ってません)と右手側上部の液晶に表示され、現在どちらのモードで起動したがが確認できます。

α-7xi_7

もちろん、xiレンズではないレンズを接続したときには『勝手にズーム』は機能しませんので、普通のカメラとして使えます。



機能的には中上級機として求められるものはひと通り備えています。

最高シャッタースピードは1/8000秒。

AFは4点で、ワイドと各点ピンポイントの切替が可能となっています。ピンポイント時には4点のなかから一点を選ぶことができます。4点は、横一列に並んだ3点と、中央の上側にもう1点、です。上側の一点は、カメラ横位置で人物撮影する場合の顔にピントを表せるためのもの、と取扱い説明書に記載されています。

測光方式はスポット測光と多分割測光、となっています。が、この多分割測光が独特で、14分割ハニカムパターン測光と呼ばれるものです。単なる矩形分割にくらべ、ハニカム分割にどれほどの優位性があるのか不明ですが、80年代だったか90年代だったかに、ハニカム構造が流行した(というかそれ以降、普及して当たり前になった)時期があったような記憶があります。その影響もあったのかもしれません。

さらにこのハニカム測光は、実は中央重点測光と比較を行い、その結果で補正を行っている、という記述をネット上でみたことがあるのですが、裏をとることができませんでした。

ワイドビューファインダという機能についても触れておかねばなりますまい。電動ズームを利用していますが、オートスタンバイズームとは別の機能で、xiズームを使い、かつレンズがワイド端以外の位置にある場合に動作するものです。

レリーズボタン脇に小さなボタンがあり、これを押すとレンズが最ワイドになります。しかし、単にワイドにするだけではなく、その直前の焦点距離をカメラが記憶しており、レリーズボタン半押しでその記憶した焦点距離に戻るのです。つまり、
構図(ズーム)を決め、ワイドボタンを押してズームアウト、周囲を確認してレリーズ半押ししてもとの構図、そしてレリーズ、といったふうに使うものです。

α-7xi_8

かつて、シグマのデジタル一眼レフが、フルサイズのファインダ&ミラーとAPS-Cサイズの素子を組み合わせて、常にクロップされて撮影することをスポーツファインダと呼んでいましたが、発想としては似ていますね。もっともα-7xiは物理的なレンズ移動を伴うためどうしても遅延は避けられず、"スポーツ"というわけにはいかないでしょうが。

もう一度ワイドボタンを押すことで、解除されます。



ファインダも野心的でした。

α-7xi_9

ファインダには透過性の液晶が重ねられていて、さまざまな情報がスーパーインポーズされます。ただ、余分なものが被写体と目の間に入る分、見づらい、逆光に弱い、と評されることも多いようです。

まず、フォーカスエリア表示です。上述のとおり、ワイドエリアAFと多点(あるいは1点選択)AFを切り替えることができますが、ワイドアリアAFなら大きな矩形が、多点AFなら小さな矩形が、排他で表示されます。

さらに、本機には縦横検知機能も備わっており、それと連動して同じワイドエリア表示でも縦位置ならちょっと細めの矩形が表示されます。上側の顔用ポイントが無効になり、その分エリアが細身になるというのを表しているわけです。

それから、FUNCボタンの状態が表示されます。このころの機体は一つのボタンに幾通りかの機能を持たされることが多くなっていましたが、本機もFUNCボタンと二つのダイアルで露出モード、露出補正、フォーカスエリアorポイント、測光モードという4パラメタを変更します。いま、FUNCボタンがどの状態か、つまり一度押しなのか二度押しなのかも表示され、操作の紛らわしさの低減に寄与しています。

α-7xi_A

他にも、測光モードに応じたガイドや、絞り値やシャッタースピードのメタファであるイメージインジケータというグラフが表示されたりします。

あとはワイドビューファインダ(上述)利用時には、"WIDE"とファインダ右上に表示が現れます。

これらの情報が、通常のカメラのようにファインダの枠外に表示されるのではなく、ファインダスクリーン上に結像した絵に重ね合わせて表示されるのです。なにが便利って、ほとんど視線移動なく、たくさんのパラメタが確認できることです。枠外表示だと、顔を動かさないと視界に入ってこなかったりしますからね。

この便利さの代償が、ファインダのヌケだったりするわけで、中上級者に『いらない』『ファインダの見やすさの方が重要』と意見が多くなるのは当然です。好き嫌いは、デジタルにおける、EVF(電子ビューファインダ)への抵抗感あるなしと、連動しているかもしれません。かくいう私はむしろ好きなのですが、なぜかといえば、カッコいいから------SF 7のときに取り上げたようなモード表示を、これでやってほしかったですね~。



『余計なお世話』と評される機能が満載ではありますが、コンパクト機含めた今のデジタルの様相をみていると、必ずしも方向性が間違っていなかったような気もしてきます。現時点で評価を与えるとすれば、好意的なファン側の『早すぎた』という表現の方が、公平な評価なんじゃないかな・・・・・・・。

当時、ミノルタの一眼レフは、α-7000の威光もどこへやら、既に20%に落ち込んでおり、キヤノン、ニコンに次ぐ3番手になっていました。起死回生を目論んだ本機ではありましたが、はてさて『早すぎた』のか『大いなる勘違いだった』のか、商業的には失敗してしまいました。

商業的な失敗の結果でしょう、雑誌やネット上でみかける『おすすめカメラ30選』みたいな記事ではまず上がってこない機種です。しかし、実際に使い込まれた(と思われる)方の記事を見ていると、意外なほど好評価なものが多く、メーカーのアピール次第ではなんとかなったんじゃなかろうか、という気がして残念です。

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テーマ : フィルムカメラ
ジャンル : 写真

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No title

  Ken M.さまこんにちは。
でましたね、7Xi。当時一番商品説明に時間がかかっていたた機種です(^^;)。この7Xiの多機能性をよどみなくテキストで解説されている Ken M.さまの筆力には脱帽です。当時カメラ店にいらっしゃればカリスマ販売員になられていたこと間違いなしですよ~。

冗談はさておき、「早すぎたオートマチック」なマシンだと思います。ワイドビュー表示可能なファインダーも勝手ズームもユーザーが欲した機能に違いありません。私も今でも欲しいです。ただ、おっしゃるとおり、タイムラグもありますし勝手ズームも35~200ではなく24~300ぐらいのワイドレンジが当時あればと。そしてオートでの高機能ゆえに逆にマニュアルでの操作性が劣悪なのもつらかったところですね。あと一段の技術的バックボーンがあれば評価は違ったものになっていたでしょう。

基本性能もデザインも一流なのにXiズームの機能を前面に出しすぎてユーザーの理解できる範囲を超えていたというところではないでしょうか。

P.S. フラッシュのモード切り替えボタンは(マウント横のイナズママーク)初期型のマシンは凸形のゴムがはまっているだけですので、フリクションの大きいセーム皮やハイテククロスでせっせとボディを磨いているとポロリと取れてもどせなくなったり(^^;)。お気をつけください。



Re: No title


> 冗談はさておき、「早すぎたオートマチック」なマシンだと思います。ワイドビュー表示可能なファインダーも勝手ズームもユーザーが欲した機能に違いありません。私も今でも欲しいです。

私もエンジニアなもので、『早すぎた』と評価されるのは、基本的に賛辞だと考えています。そしてその『早すぎた』を支える宣伝力か、もしくは時代が追いつくのを待つだけの忍耐力(経済力?)が組織にあればいいのに、とも思います。

OM101のパワーフォーカスとか・・・。あれも、今ならきっとウケますよ!

> P.S. フラッシュのモード切り替えボタンは(マウント横のイナズママーク)初期型のマシンは凸形のゴムがはまっているだけですので、フリクションの大きいセーム皮やハイテククロスでせっせとボディを磨いているとポロリと取れてもどせなくなったり(^^;)。お気をつけください。

ご忠告ありがとうございます。
気になって確認してしまいましたが、大丈夫でした。気を付けます。
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