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Nikon F-401x

前回のF-801s同様、F-601の登場に合わせてエントリー機F-401も2度目の更改が行われました。ニコンF-401x、1991年4月、定価64,000円。F三桁機の最終機です。

F-401x_1.jpg

ニコンは結局、今世紀に入ってからのUsに至るまで、ファミリークラスと呼べる機体を用意しませんでしたし、そのUsやAPS機を含めても定価で4万円台の一眼レフを出しませんでした。ユーザの新規開拓には随分苦戦したと推測されますが、いぶし銀のようなニコンの強さが既存ユーザを離さなかったのか、ジャンク棚やジャンクカゴ、まれには中古品として、相当数のF三桁機を見ることができます。その中にはもちろん本機F-401xもいます。









機体の改修項目はざっと以下のとおりです。
  ・ マルチパターン測光が3分割から5分割へ。
  ・ 予測駆動(いわゆる動体予測)AF搭載。
他にも低速シャッター関連やストロボ関連で細かなレベルアップがなされていますが、本機の想定ユーザーにはあまりメリットのあるものではなかったと思い、割愛いたします。(後述)

F-401x_5.jpg

スタイル上の変更がほとんどなかった初代F-401からF-401sへの時と異なり、今回はひと目でわかるような違いが加えられました。

左からF-401x、F-401s、F-401です。

F-401x_2.jpg

特に大きいのが絞りダイアルとシャッター速度ダイアルで、2ダイアルの位置はそのままに、その上に配置されていた透明なアクリル板が除去されました(実のところ、ほんとうにアクリルかどうかは知らないのですが、大した問題でもないので以下アクリル板で通します)。絞り値・シャッター速度の視認性の問題からでしょうか。ダイアルの隙間にホコリ等の混入がなくなった反面、チリが積り易くなりました。ダイアルの隙間って、掃除しにくいんですよね~。

左(奥)がF-401x、右(手前)がF-401sです。

F-401x_3.jpg

平面が除去されたことにより、全体的に丸っこくなった印象を受けます。それにあわせてレリーズボタン周辺の形状も変わりました。なんか、キヤノンぽい造形になってしまいましたね。

丸っこさは、ペンタ部付け根の曲線をみていただければ一番良く分かるかもしれません。すみません、上の写真と左右入れ替わって左がF-401s、右がF-401xです。かたや直線、かたや曲線、というのがきれいに出ています。

F-401x_4.jpg

逆に変わらなくて残念なのがファインダ内表示です。つまり、合焦、露出のアンダーorオーバー、ストロボ使用推奨のマーカーのみで、絞り値もシャッタースピードも表示されません。

今更ながら、エントリー機におけるファインダ内表示について考えてみますと、真にシャッター速度や絞り値の表示が必要となるのはプログラム・モードなのだろうと思います。絞り優先やシャッター速度優先が使えるユーザには、まぁなくても何とかなるわけです。プログラムしか使わないユーザが次のステップに行くために必要なのは絞りとシャッター速度の関係を知ることであり、プログラムつまりカメラのCPUが、現在どんな数値を最適とはじき出したかを教えてくれることは、非常に有益なインストラクションとなります。

キヤノンがEOS 1000でファインダ内表示にこだわった理由も見えてくるというところで、その点でエントリー機としては本機が劣後していると言わざるを得ません。だからといって、やっぱりキヤノンが一番だね、というのは短絡でしょう。

むしろ、F-401シリーズは、入門者向けというよりは、機能的にこれで十分、と積極的に機能限定版を選ぶ中級者層をターゲットにしていたのでしょう。つまり、低価格機であってもエントリー機ではない、と。だとすると、上の方で少し触れた、ストロボ調光関係や低速シャッター関連のレベルアップも、実は重要な変更だったりしたのでしょうか?



本機の登場により、プロ機からエントリー機まで、動体予測AFという第二世代のAFを搭載した4ラインのラインナップがニコンに揃いました。

他社は既に多点AFという第三世代のAFに足を突っ込み始めており、いかにして追い上げるのか------と思いきや、どうやらニコンは多点AFにはあまり興味がなかったように思えます。これも年表を眺めてみて感じただけで、じっさいのところどうなのかは知らないのですが、1994年のF70DでワイドエリアのAFを導入したりするものの、結局1996年のF5まで多点AFは登場していません。

ニコンは、それよりも、測光の3D化の方に興味があったようです。実際(私もそうですが)AFは中央一点しか使わない派はかなり存在している一方、測光についてはカメラがほぼ100%デジタル化した現在でもなお自機のAEに納得がいっていないユーザもかなりいるわけで、極めて自然な志向と考えられます。

ユーザ全体の底上げを試みて高機能化・多機能化するキヤノンに対し、よりよい一枚をユーザが手にするために既存機能を昇華させんとするニコン、次のxiシリーズでより明らかになるとおり、カメラの定義そのものを拡大させようとするミノルタ、目を覚ますにはもうしばらく時間がかかりますが、道具としてのありかた、たとえば操作系を見直そうとするペンタックス、と、各社多様な方向性が浮き彫りになるのも90年代前半でしょう。

そこに、やっぱりユーザとしては、頓珍漢であることは半ば理解しつつも楽しまずにはいられない、『どこのカメラが一番か?』という論争あるいは『オレの使っているメーカーが一番だ!』という主張とが絡んでくるのがガジェットの面白さであります。

もちろん、各社の戦略は、自社の利益につながらなければならないという制約のもとでの戦略であり、ユーザからみればそれが時にもどかしさとも、場合によっては裏切りとも映ってしまうわけで、リアルタイムではなかなか冷静に見ることができないかもしれません。

まだAF一眼レフ史の半分もたどっておりませんが、もう少し先まで行った折には、今のデジタル一眼の動向を見る目もやしなわれているといいな~と考えています。
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テーマ : フィルムカメラ
ジャンル : 写真

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No title

 
Ken M.さまこんにちは。
F401というカメラ、ニコンラインナップのボトムを一生懸命に勤め上げた苦労人でしたね。最終機たるF401Xは
一番販売数では苦戦したかもしれません・・・。主にコンピューターのバージョンアップだけでマイナーチェンジされる現在のカメラと違い、構成部材やインターフェースまで小改良され続けているのを実感できます。ニコンなだけにダブルのダイヤルも「ヤングのマシン」的デザインがどんどん「シルバースペシャル」みたいな改良をされていっておりますが(^^;)。

数字の視認性というのはどんなカメラでも大きくてわかりやすいほうがよいにきまっておりますから、正しい方向性であるのは間違いのないところ。ならばファインダーの表示も充実させて~て感じでしたね。ニコン的には露出はカメラに任せていらない数字をごちゃごちゃさせるな!作画に集中せよ!ということだったのでしょうか。FM2もF3もファインダー内表示はたしかにショボかったですからね~(^^)。

Re: No title


>ニコンなだけにダブルのダイヤルも「ヤングのマシン」的デザインがどんどん「シルバースペシャル」みたいな改良をされていっておりますが(^^;)。

初代、sの外側にとんがったグリップもよかったと思うんですけどね・・・。

アクリル板の下の"Nikon IMAGE MASTER CONTROL"のプリントも、『よかよか~』で言及されていた"TWINCAM 24VALVE"的カッコよさが・・・。
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